
金澤幸緒です。
三井不動産、三菱地所、住友不動産などの不動産大手各社が投資用物件の売却を拡大しています。
三井不動産は2021年1月に東京ドームを連結子会社化したため、総資産が増えました。三菱地所や住友不動産も総資産と有利子負債が増加で推移しています。
不動産市場は依然として上昇傾向な状態にあり、このタイミングで膨張資産の入れ替えを進めるということなのでしょう。収入は新規投資や株主還元とするとみられています。
三井不動産に限らず、各社が物件売却を増やすのは、総資産を減らすことで総資産利益率(ROA)の改善につなげるのが狙いです。
ROAとは、総資産に対する利益率のことです。当期純利益(分子)を総資産(分母)で割って算出するため、一般的に、この数値が高いほど効率的な経営ができていると評価されます。
少ない総資産で多くの利益を生む不動産が、より優れた投資対象となるということですね。
各社とも、資産の入れ替えに伴う不動産売却を進め、分母である総資産を減らすのが狙いとみられます。
ROAの目安は業種によって大きな違いが生じますが、不動産業ではおおむね5%前後が優良企業といえるでしょう。
投資の際には、こうした指標にも目を光らせておく必要があると言えます。
金澤幸緒
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