
タイタンの金澤幸雄です。
2020年初頭から急速に広まった新型コロナウイルスの感染拡大以前は、ブドウ畑の見学や生産者とのイベント、ワインの試飲などはすべて「対面」で行うことが当たり前でした。しかしコロナウイルスのパンデミックはそんな日常を一変させ、生産者のワインに対する思いを聞いたり、こちらから質問したりする対話や、ワイン愛好家たちが集まってブドウ畑を見て回ったり、ワインを楽しんだりする機会をことごとく奪ってしまいました。
そんなコロナ禍ももう3年目に突入し、ウィズコロナ社会での新しい生活様式の一環として、ワイン業界も映像・VR・画像などを通じ、実態を伴わないバーチャルな形式で様々なイベントを行うことが多くなっています。
パソコンやタブレットなどの画面越しに行われるブドウ畑の見学、生産者とのミーティング、ワインの試飲は「バーチャル・テイスティング」と呼ばれ、ワイン関連の知識を培うのと同時に自分の好みに合ったワインの選び方も身に付きます。対面形式に比べて臨場感などはどうしても劣ってしまいますが、その代わりワイナリーまで出向くよりも気軽に参加できるため、特にワインを勉強し始めたばかりの愛好家たちからは歓迎されているようです。
また、小規模な生産を行っているワイナリーなどは、案内できる人手の不足やプロモーションなどにかける費用が少ないなどの理由により、今までワイン愛好家たちのみならず、インポーターたちとも直接交流する機会が少ないのが現状でした。しかしこのコロナ禍で、パソコンさえあれば自分たちのワインを通じてそういった人たちとつながりが持てるようになったのです。これは、コロナがもたらした本当に数少ないチャンスのひとつであると言えるでしょう。
一般的なバーチャル・テイスティングの流れとしては、まずウェブサイトなどから好みに合いそうなイベントを探して参加権を購入します。すると、イベント開催前にワインとテイスティング・ノートやワイン・チャートなどの資料が送られてきます。イベント開催日時になったらそれらとワイングラスをいくつか用意して、指定されたURLからバーチャルのイベント会場(Zoomなどが多いです)に行きます。あとは、ワイナリーのオーナーやソムリエの解説を聞きながら、届いたワインを皆で一緒に楽しむ、というものが一般的なようです。
このほか、ワイナリーの歴史やブドウ畑の様子をガイドしてもらえたり、ワインを熟成・貯蔵の為に寝かせておく貯蔵専用庫(カーヴ)を見学できたりするバーチャルツアーもあるようです。
家にいながらにして、今まで知る機会のなかった生産者やワインを知るいいきっかけとなりそうです。
金澤幸雄
Photo by Unsplash Laura Peruchi