空水機事業について

タイタンキャピタルの金澤幸雄です。

ありがたいことに、どうしたら金澤さんのようになれますか?と尋ねられることがあります。

思うに、私にはわりとはっきりした夢や目標があり、周りの人や環境、それに伴う「運」に恵まれたから、今の私がある。シンプルにこれに尽きると思います。

私が何かを始めようとするとき、あまり利益や儲けを深く考えたりはしません。気づいたら頭と身体が動いていて、一時的なものとそうでないものに関わらずゴールを決め、それに向かって集中していると、ふと立ち止まって見てみたら「結果」がついてきている、という感じでしょうか。ですから、ある意味、私が私のやりたいことができている時点で、その仕事は半分成功したも同然なのです。

以前、空水機のプロジェクトに関わった際も、これをやったら世間から注目されるとか、儲かるとか、そういったことは一切考えませんでした。空水機というのは、空気中の水分を集めて殺菌し飲み水をつくる機械のことで、災害時などを除いて基本的にはいつでも安全な水が手に入る日本ではあまりピンとこないかもしれません。「水なんて蛇口をひねればいつでも出てくるんだし、そんなことをやって儲かるの?」と思われた方もいるでしょう。

昔の話ですが、水インフラの整備されていない発展途上国の子供たちに関するNHKのドキュメンタリー番組を偶然見て、不衛生な水を飲まざるを得ない現地の人々に大変なショックを受けました。そして、悲しいことではありますが、それはこの令和の世の中にあってもそういう地域があります。「困っている人を助けたい」という、今の私において大切な信念のひとつが生まれたきっかけがこの番組と言っても過言ではありません。

そういった人たちにどうにかして安全な水を届けたいと寄付などを続けてきましたが、空水機という目に見える形で発展途上国のサポートができる機会を得、結果のことは全く考えずにこの事業をスタートさせたのが2016年のことになります。

それからは、空水機事業をなんとか形にしたい一心でした。幸い他の事業での利益があったので、それを空水機事業に充てることもあります。

それが実を結び、今ではカンボジアの学校や医療センターなどに空水機が導入され、少しずつではありますが確実に拡がりを見せています。2年前には、エジプトでの空水機プロジェクトのもようがNHKの報道番組で取り上げられ、反響をいただきました。私がこのような取り組みを始めたきっかけの番組もNHKだったことを思い返すと、感慨深いものがありました。

金澤幸雄

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